昨日完成しました。
石は<パラス・ジョグジャ>だったんですが、
彫刻師の人がいつも彫っている、
バリ建築の彫刻部分によく使われる一般的な石よりもかなり固かったそうで、
「ちょっと大変だった」とのことでした。
それでも、2人で1週間弱で完成しました。

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モチーフはカヨナンです。


カヨナンって、影絵芝居ワヤン・クリットで使われる団扇みたいな奴です。
夫はバリの影絵芝居に欠かせない、グンデル・ワヤンの奏者ですので、
彼にとって、カヨナンというのはとても身近なものなのでした。


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これがカヨナン。グンデルを弾いているのは夫です。
写真は、儀式用の<ワヤン・ルマ>なので影絵ではありませんが、
夜にスクリーンを張って、ココナツ油のランプに火を灯せば、影絵になります



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バロンの顔。


「何故、バロン?」と訊くと、
「カヨナンは木(生命樹)だし、バロンは森の王だから、この二つは相性がいい。
 どちらも、ポジティブ・オーラを出してるんだよ」とのこと。

今回、彫刻はこれで終わりの予定だったのですが・・・


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彫刻師の人とすっかり意気投合してしまった夫、
「いつか彫ればいい」としていた、土台部分の彫刻も、
「せっかくなら同じ人にお願いしたい」と、追加オーダーしてしまったのでした。



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角の部分。半分だけ彫った状態。


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側面から見ると、こんな感じ。


角ですので、四か所あります。
さらに、側面にも彫刻を入れるつもりみたいです。

金額はここでは書きませんが、
日本の方が想像するだろう価格よりは、安いはずとだけ申し上げておきます。
バリ人価格ですしね。パソコンとか買う方が高いです。

バリは土地高騰によるバブル景気で、建築ブーム。
都市部ではモダンな住宅が増えたとは言っても、
まだまだ、バリの伝統建築を建てたい人も多いですので、
彫刻師も仕事にあぶれることなく、常に引っ張りだこのようです。

乞われて遠出することもあるそうですが、
今回はウブドで、彫刻師の自宅からも近いのでラクとのこと。
夫は職人さんの仕事ぶりに大満足で、ナシブンクス(※)まで奢ってあげてるしで、
なんだか、職人さんも楽しそうに仕事をしているように見えます。

なんでも、すでに入っていた、もっと遠くの仕事をキャンセルして、
うちからの追加オーダーを受けたみたいです・・・ 近いから・・・


(※)テイクアウトのナシ・チャンプルのこと