August 25, 2006

お察しの方も多かったようですが、妊娠・出産でお休みしていました。

つわりは長く、辛く、なんと7ヶ月まで続き、
つかの間の短い安定期の後は、
大きなお腹を抱えて苦しむ妊娠後期に突入、吐き気もぶりかえし、
「早く生まれてくれ~」ともがく日々でした。
しかも最後の最後まで逆子が直らず、結局、帝王切開となりました。

つわりの真っ最中に日本で父が急死しましたが、帰国はできず、
出産直後には同居している夫の兄が縊死を遂げ、これまた大騒動、
人生における大事件が次から次へと襲い掛かった数ヶ月間でした・・・

まだ本格復帰ではないのですが、
少しずつ現場の感覚を取り戻そうと、今週から出社を始めました。

娘はまだ生後2ヶ月になったばかり。
日本では、この時期に職場復帰する人はほとんど居ないと思われますが、
バリでは普通です。
ただ、さすがにまだ、フルタイムでの勤務は躊躇われるので、
朝、娘をマンディさせてから遅めの出勤、
夕方、娘をマンディさせるために早めの帰宅、
娘を預けている義母が忙しい日はお休み、という形を取らせてもらっています。

なぜ、マンディにこだわるかと言うと。
というのも、うちの娘は乳児湿疹がひどいので、
きちんとしたスキンケアをするためにも、
せめて、マンディだけは自分でしてあげたいのでした。

ここで、バリ式の子供のマンディ方法。

バリでも、赤ちゃんのマンディにはベビー・バスを使います。
日本では、ベビー・バスは場所を取るし、
2ヶ月からは親と一緒にバスタブに浸かれるからと、
レンタルする人も多いようですが、
バリでは1~2歳になっても使用しますので必需品であり、
どこでも売られていて、簡単に入手ができます。
わたしが購入したのは、ベビーバスの中に、
首の座らない赤ちゃんを横たえるための寝椅子もどきがセットできるタイプですが、
これは、デンパサールの赤ちゃん用品専門店で購入しました。
とっても便利で、重宝しています。

バリ人は、朝と夕方にマンディするのが一般的ですが、
赤ちゃんも同じで、朝起きた時と、夕方にマンディさせます。
お湯に浸けて、片手でグニャグニャの首を支え、
空いた片手で石鹸を泡立てて身体を洗ってあげる・・・のは日本と同じですが、
お湯から出て、身体を拭いた後、
お腹から胸にかけて、「ミニャッ・テロン」というオイルを塗るのは、
インドネシア独特の習慣でしょう。

「ミニャッ・テロン」のボトルには、ジャムゥ・マークがついていますが、
ハッカ系のホカホカ・オイルで、これを塗ると、
赤ちゃんの身体が温まり、内臓器官の働きを助けるんだそうです。
いろいろなメーカーから出ていて、村の萬屋でも簡単に入手できます。
これを入浴後の赤ちゃんに塗ってあげないと、
「なんてひどい母親なんだっ!」と思われること、確実。
赤ちゃんの匂い=ミニャッ・テロンの匂い、とも言えるのがインドネシアです。

オイルの次は、ベビーパウダーです。
いま、日本ではパウダーの使用は奨励されていないそうですが、
暑い国では、いまでも必需品のようで、
ベビー石鹸やシャンプーと一緒にパウダー詰め合わせたセットが、
出産祝いの定番になっていて、わたしも大量にいただきました。
親戚の子供にも分けてあげましたが、
それでも、全てを消費するには1~2年はかかりそうです。

が。
これが、敏感肌の娘にはダメみたいなのです。
身体はいいのですが、顔につくと、乳児湿疹がみるみる悪化します。
お尻につけると、おむつかぶれを避けるどころか、
おむつかぶれを起こしやすくなったりもするようです。
これは体質もあるので、あくまでもうちの娘については、です。

ところが、「顔とお尻にパウダーは使わないで」と言うと、
「汗かいて可哀相」とバリ人の強い抵抗に遭い、、
理由を話して納得してもらっても、洗脳を解くのは難しいようで、
誰かにマンディを頼むと、
から揚げ粉をまぶしたかのように、上から下まで真っ白にされてしまいます。
下らない衝突を避けるためにも、自分でマンディさせたいのでした。

そして。お洋服を着せてあげた後は、
魔除けにバワン・メラ(赤小たまねぎ)を薄く剥いて額にペタッと貼りつけ、
ベビーバスに残った湯をすくって、
赤ちゃんの妹分(庭に埋めた胎盤)の上からかけてあげると、
マンディ終了! となります。

こうした流れは、バリ人の家に寄宿していた頃から見ていましたが、
出産後に病院で指導を受けた時も、ほぼ同じでした。
なので、バリの赤ちゃんマンディ法としては、定番なのだろうと思います。
ときどき、前頭部にある大泉門の上に、
白いボレ(スパイスと米粉を練り合わせたもの)を塗った赤ちゃんを見掛けますが、
あれは、大泉門から頭が冷えないようにするのが目的だとか。
「年寄り臭い習慣」と言われ、うちではやっていませんが、
大泉門が冷えないように、帽子をかぶせろ、とはさんざん言われました。

そういえば、バリには、帽子をかぶった新生児が多いです。
日本の新生児は、あんなに猫も杓子も帽子は被っていないような気がしますが、
どうなんでしょう。

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初出:2006年8月25日
再録:2007年1月27日
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